プリマス、ハンブルク、またオクスフォード

それで、なんですって?

「いやいや、突然、呼び止めてしまって申し訳ない。私は、フックと申しまして。今回開催される知識検定大会の検定員をやっています」

ほお。

「実は、前回、フィレンツェで最初の大会を開いた時にエラく盛り上がりましてな。その様子なら、2回目の大会も参加者多数で大盛り上がりじゃないかということで、今回の開催の運びとなったわけですが」

うむ。

「ところが、どういうわけか、メインイベントの「クイズバトル」の参加者が、直前になってもさっぱり集まりませんでな・・・・・・」

ほお。

「筆記の階級付け試験の方は盛況でして。ほら、オクスフォードの町をごらんになられたでしょ。ところが、今回の目玉の対戦型のイベント、こちらは知識の最高峰を決めるわけなので参加資格も厳しめなのですが。その数少ない候補者達が、参加を突然辞退したり、連絡がとれなかったり、という体たらくでして」

はあ。

「それでまあ、突然で本当に申し訳ないのですが、貴殿に少しご支援いただけないかと」

ん?

「いや、一番最初に大会を辞退された方のところに訪問していただいて、少し、事情なりとも聞いてきてはいただけまいか」

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えーーーーーーっと?

まあ、ヒトの役に立つなら、簡単なことなら手伝うのはヤブサカではないが・・・・・・。
だけど、なんで、我々なの??

「先ほど、大学の中で高名な先生方とお話しされていらっしゃったのをお見かけしたので、かなり立派な航海者の方ではないかと」

んーーーー、そんなことは全くないんだけど、それはそれとして。

それにしたって、話をしていたのを見ただけで、ってのはどうなのかな。

「それほど切羽詰まっているともいえますが・・・・・・。実は辞退された方々は少し遠方にいらっしゃるものですから、速い船をお持ちの航海者にぜひお手伝いいただきたくて」

んーーー。いや。
自分の船は鈍足だ。
うん。だからちょっとご期待に添いかねますなあ。

「まあまあ、お待ちを。ご立派な快速船をお持ちで、自分も助けられたことがある、と教授の娘さんが」

なに?!もしかしてジュスティーヌ?

いやいや、彼女、北米西海岸で開拓団率いてるでしょ。

な、なんだよ、タカイド。
え、前回の記事を見ろ?
またそんなメタなことを・・・・・・。

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・・・・・・うん、いたね。
・・・・・・えーっと、里帰り、かな。

コホン。

・・・・・・。

なるほど、彼女の推薦じゃあ、しょうがない。こちらも世話になってますし。
引き受けましょう。

「おお!ありがとうございます」

それで、訪問したらいい人達は、どれぐらい遠くにいるんですかね?

「ええと、ダニエルさんがプリマスで、ミッターさんがハンブルクですね」

なんだ、北海で済む用事か。それを早く言ってよ!
じゃ、ちゃちゃっと行ってきますかね。





さて、プリマス、っと。
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お、すぐ見つかったな。
えっと、ダニエリさん?

「・・・・・・ダニエルです」

失礼。いや、そういう名前の物知り御仁がいるもので。

では、ちょっとお話をおうかがいいたしたく、っと。

「…ほう、ワシが大会の不参加を決めた理由を聞きにきたか。あれは、1ヵ月ほど前になるか…」

ふむふむ?

「ワシに差出人不明の手紙が届いてな、クイズバトルの参加をやめろという内容じゃった…」
「最初は柳に風と受け止めて気にもせんかったが、その後、ワシの乗る船の船長が、暴漢に襲われる事件があってな」
「自分はともかく人様に迷惑はかけられんと、不参加を決めたわけじゃ」

ほほぉ。

「…そういえば、風の噂で、あの“物知りミッター”も同じような妨害を受けていると聞いたぞ」

ミッターか。フック氏がハンブルクに居るって言ってた人だな。

・・・・・・わかりました。ありがとうございます。

さて、では次はハンブルクっと。





確か、造船所の方にいるって話だったが。お、いたいた!
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ええと、ミッキーさん?

「・・・・・・ミッターです」

それは失礼。カナリアの歌姫の噂をきいたことがあって。

「」
「いやいやいや…、困った困った…」
「フック先生から依頼を受けて、私の事情を聞きにきたと? いやちょっと、聞いてくださいよ」
「1ヵ月ほど前、手紙が届きましてね。次の大会に出るなら、お前に災難が訪れると書いてあったんですよ」
「そうしたら、翌日から家に卵を投げつけられるわ、私のありもしない噂が街中に流れていたりと大変な目にあっているんです」

・・・・・・ミッター氏、凄い勢いでしゃべりまくってきたなあ。
・・・・・・。

「ダニエルさんも同じ状況なら、優勝争いをしていた人はみんな脅迫を受けているのでは…」
「とにかく、今は問題解決に追われていて、参加どころではないんです。すみませんが、フック先生にそうお伝えください…」

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あ、ああ。
分かった、伝えときます。





船に戻る道すがら、タカイドが話しかけてくる。

「1か月前ぐらいから、脅迫が行われているみたいですね」

みたいだねえ。

「参加されると困る理由がある人間が犯人、ですかね」

どーなんだろうねえ。

まあ、とりあえず、プリマスとハンブルクはまわってみたことだし、オクスフォードのフック検定員のところに戻るか。

070315 233603





「おおーー、お帰りなさい。さすがに早いですな!どうでした?みなさんに何か良くないことでもありましたかな??」

大学前に戻るなり、フック氏が確認してくる。

えーっと、どうも、二人とも一ヶ月ぐらい前に、不明な人物が原因で危険な目にあっていて、出場を見合わせているみたいですね。

「なんと! お二人とも、何者かから脅迫を受けていて、参加を辞退せざるを得なかったと…」
「いや、しかしこれで合点がいきましたぞ。実は優勝候補のなかで二人だけ、不参加を表明しなかった方がいるのです…」
「しかし、うち一人は先日失踪してしまったとの情報があり、行方がわかりません」
「失踪した人物が、もう一人から妨害行為を受けている…。そう考えたほうが自然ではないでしょうか?」
「そこで、もうひとりの検定員であるレン君に二人の調査をお願いしているのですが…」

検定員が調査に行ってるんですね。

その人はどこに?

「今はちょうどオクスフォードの酒場で食事をしているころかと」

ほお。
では、行ってみようか。





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ええーっと、検定員のファーレンハイツさん?

「・・・・・・レンです」

失礼、たしかそんな名前の有名商会の商会長が居たような。

「レン、しか合ってないじゃん」


コホン。
・・・・・・ところで、フック氏から聞いてきた、残った二人の候補者についてなんだけれども。


「ああ、その件ですか。歩き回って疲れたでしょう? さあ、これをお飲みになってください」

こりゃどーも。

「……。それでは、まず、行方不明となっている人物について話をしましょうか」
「その人物の名は“物知りヴィクター”さん。過去、決勝戦である人物と激しいバトルの末敗北しています」
「雪辱のため、なんとしてもクイズバトルに参加したかったのでしょう。それが行方不明とは、実に残念です…」
「そして、もう一人の参加表明者が、そのヴィクターさんの対戦相手であった…」

・・・・・・・ん?あれ?

なんだかエラく眠くなってきたぞ。
まいったな、酒も飲んでないのに・・・・・・。
あるいはなんか盛られたか・・・・・・。

うーーーーん、だめだ考えがまとまらない・・・・・・。
・・・・・・
・・・


zzz





(続きます)
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